BUTTER【電子書籍】[ 柚木麻子 ]
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木嶋ガールズはきっとがっかり

ストーリーは主人公である30代の女記者と、親友の主婦を中心に展開する。
女二人の友情と人生、東京のおしゃれなライフスタイルなどが文章の大半を占め、首都圏連続不審死事件に関する記述は申し訳程度。

木嶋死刑囚への興味から本書を手に取った人は
「こんなぽっと出の女記者、どうでもいいから。
主人公と親友の馴れ初めとか過去のトラウマとか今彼との恋愛模様とかたらたら書かなくていいから、さっさと本題の事件と被告について書けよ」と言いたくなること請け合いである。

木嶋佳苗を模した女囚・梶井真奈子(略称カジマナ)は序盤、グルメでミステリアスな悪女として描かれるものの、中盤以降は脇役に追いやられ、魅力を大幅に失ったあげく、事件の真相はうやむやなまま物語は終わりを迎えてしまう。

梶井真奈子の描写も報道された情報をひろってきたような表面的なものが多い。
正直、巻末に挙げられた参考文献を読んだ方が面白い気がする。

<もっと面白い参考文献>
 別海から来た女 木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判 [ 佐野眞一(ノンフィクション作家) ] 毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記 (講談社文庫) [ 北原みのり ] 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ【電子書籍】[ 上野千鶴子 ]




アラサー女性のジュブナイル
――仕事・結婚・恋と友情・出産・親との関係。
不安と悩みを抱えこみ、人生に迷い始めた30代女性に贈る、大人のための青春小説。

本書をより正確にあらわすとこんな感じ(↑)だろう。
ぶっちゃけ木嶋佳苗とか連続不審死事件とかいらないんじゃないか。

女性らしい細やかな筆致で描かれる日々の暮らし、日常からの開放感を味わえる贅沢グルメや旅行の描写はなかなか楽しい。

おしゃれでそれなりの仕事についていて、テレビドラマが好きな20代後半以上の女性に特にオススメ。





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