若者サポートステーション → ハローワークの障害者専門窓口 → 障害者職業センター と紹介され紹介されて、職業評価を受けることになりました。



管理人が受けることになった検査は
  • ヒアリング(担当者と面接し、聞き取りを行う)
  • MWS(幕張ワークサンプル)
  • MSFAS(幕張ストレス・疲労アセスメントシート
  • GATB(厚生労働省編一般職業適性検査
の4種類です。GATBは以前別のところで受けたので、そのときの結果をそのまま使いました。



それぞれの検査内容はこんな感じです。

<ヒアリング>
まず、一番最初に行われるのがこれです。他にどんな検査をするかもここで決めます。
障害者職業センターの担当者と会って話をします。

話す内容は障害の種類や程度、これまでの経過、日常生活で困っている点、職歴、将来についての希望など、多岐にわたります。

余談ですが、管理人は何かとトラウマの多い人生を送っているため、また、自分の症状について説明することが非常に苦痛(どうせ理解してもらえない・共感してもらえないと分かっているのに「なんで?」と聞かれた過去のフラッシュバックがひどい)ですので、正直このヒアリングが一番つらかったです。



<MWS(幕張ワークサンプル)>

専用のキットを使って、実際の仕事(のような作業)を行います。
内容は大きく3つに分かれています。
  • OA作業:パソコンを使った簡単なデータ入力
  • 事務作業:書類仕事、事務仕事
  • 実務作業:ピッキングや組み立てなどの軽作業
仕事の出来やスピードを見ることも大事ですが、
一番大切なのは、作業をしながら自分の状態に目を向けることです。
これを意識して検査を受けると、有意義な発見が得られます。

「この作業をしていて楽しいか? 少なくとも、そんなに苦痛でないか?」
「案外簡単にこなせるか? 思っていたより難しいか?」
「どういう風に指示してもらえば、ちゃんと仕事をこなせるか?」


 などと考えながら検査を受け、感じたことを担当者に伝えるといいでしょう。

※もっとくわしく知りたい方へ→ ワークサンプル幕張版の活用(外部リンク)





<MSFAS(幕張ストレス・疲労アセスメントシート)>
ヒアリングの最後に宿題として出されたもの。
数枚のプリントにカリカリ書き込みました。



<GATB(厚生労働省編一般職業適性検査)>

薬のカプセルみたいなのを入れたり抜いたりするアレです。
内容はIQテストと器用さ検査を合わせたような感じ。
職業センターの職員さんいわく、「しょせんペーパーなので信憑性には限界がある」とのこと。……大変ごもっともな意見です。



これらの検査を済ませて最終的に受け取る結果はこんな感じです。




<評価結果・職業リハビリテーション計画

評価結果は以下の4項目について出されます。

1.身体的側面
身長、体重、血圧、握力、所見。

2.精神的側面
体調悪化のサイン、疲労への対処、所見。

3.社会的側面
コミュニケーション、日常生活(睡眠・食事・生活態度など)。

4.職業的側面
OA作業・事務作業・実務作業の成績。
指示理解、ケアレスミス、質問・報告、本人の希望、所見。


また、これらの結果に基づいて、
職業リハビリテーション計画 というアドバイスがもらえます。





ちなみに、管理人の結果はこんな感じでした。

<評価結果>

検査名等
所見
身体的側面
MSFAS等

●身長:××cm
●体重:××kg
●血圧:××/××mmhg
●握力:右××kg、左××kg
●腰痛、肩こり、鼻炎、アレルギーがある。
 アレルギーで全身がかゆくなるため、保湿クリームで対応している。
精神的側面
MSFAS・面接
●体調悪化のサイン:不眠、体の重さ、イライラ等。
●疲労への対処:ご本人のお話からは「やれるところまでやって休む」という印象を受けた。


●ご本人からの聞き取りは次のとおり。
文章を書いたり調べ物をしたりすることには集中出来るが、決められた時間で働くことや人付き合いには自信がない。

手先は器用ではなく指先に力がない、文字を書くのが遅い、作業の手順を覚えることに不安がある。

道具を使うこと、人の顔を覚えること、数字の正確性を求められることが苦手。

体を動かすことは好きだが、立ち仕事は辛い。
社会的側面
MSFAS・面接 ●コミュニケーション:日常会話に支障はない。

●日常生活
【睡眠】
午前1時に寝て8時に起きる生活。
ご本人によれば、睡眠障害はあるが睡眠薬が処方されており、飲めば寝られる。
PCや読書等で頭が冴えると生活リズムは時々崩れる。

【食事】
食事は抜いたり偏食が多い。チョコレートやグミ、氷が好き。何かに熱中すると食べることを忘れてしまう。

【その他】
ご本人によれば、片付けや時間通りに生活することが苦手であるとのこと。
職業的評価
●MWS簡易版
【OA作業】
数値入力12/12(ミスなし)
文書入力10/10(ミスなし)
検索修正5/5(ミスなし)

【事務作業】
数値チェック11/12(見落とし)
物品請求書5/6(計算ミス)
作業日報集計(ミスなし)

【実務作業】
重さ計測5/5(ミスなし)
ナプキン折り(ミスなし)
ピッキング(ミスなし)


●水道蛇口の組立・分解
●OA作業:PC操作は独学。入力スピードは速くて正確だが、問題のレベルが上がっていくことに気づかなかった。ご本人の感想は「飽きてきた」。
●事務作業:見落としや行ズレによる計算ミスなどが見られた。ご本人の感想は「表は苦手」とのこと。
●実務作業:ミスなく出来た。


●指示理解:
口頭指示は数字のみであれば複数でも可能だが、聞き取るために集中が必要であるとのこと。
複数の口頭指示や同時併行作業は苦手と思われる。

指示書やご本人にメモをとってもらう、または例示が有効。特に、ビデオによる教示は一度で手順を覚えることができるため、概ね例示とポイントのメモで対応できるものと推測される。
目分量は得意でない。

●ケアレスミス:注意不足によりミスが出る可能性がある。
●質問・報告:自発的に出来る。


●ご本人の希望:
ひとり暮らしをしたい。
ライターや翻訳などフリーランスの仕事をしたい。
決まった時間に働くことや人付き合いに自信がないので在宅で仕事がしたい。
人命に関わることや責任を問われること、正確性を求められることは避けたいとのこと。




<職業リハビリテーション計画>
【現状と支援の方向性】
新規の就職に向けた支援

おとなつハカセ さんは、自分の能力、適性に合った仕事を知りたいという希望で来所されました。

幕張ワークサンプルを実施して、感想を聞きながら結果を振り返りました。
★作業指示:ビデオ教示◎ 指示書やメモ○ 口頭指示△(長い指示、複数指示は苦手)
★作業種:実務作業◎ OA作業○ 事務作業△(OA作業は「飽きてしまう」ので継続が課題)。

臨機応変な対応が必要な作業は避け、役割が明確な作業が望ましい。




作業そのものは速く正確にできましたが、ご本人は決められた時間で働くことや人付き合いに自信がないとのことでした。

相談の中で興味関心のあるものに集中し寝食を忘れてしまいそうになるというお話があった反面、関心のない単調な作業は数分で飽きてしまう様子が見られました。

また、職歴が派遣や臨時の求人が多いということからも、気力、体力の継続性が心配されます。



したがって、障害者求人に応募することを希望するのであれば、まず、下記のいずれかの準備をすることを提案します。
  1. 就労移行支援事業所に一定期間通所し、継続性や人付き合いの経験を増やすこと。
  2. 時間を決めて適度に休憩をとることや、自分自身の得意不得意を整理し対処方法を検討すること、会社内でのコミュニケーションを練習することなどを目的に、職業準備支援を受講すること。


【具体的目標】
【障害者職業センターが提案する支援内容】
【協力を求める機関及び内容等】
【留意事項等(配慮事項・特記事項)】 の欄は空白でした。



この結果を受け取った当初は「今すぐ働くのは無理なんだ」と大変落ち込みました。
しかし、その後サポステのカウンセラーさんと相談し、障害者職業訓練校と就労継続支援A型事業所の見学に行くことにしました。


職業評価を受けて分かったことは、たとえ障害者求人であっても「週5日・9時5時」の労働ができるだけの気力と体力がなければ採用は難しいということでした。


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なお、結果が出るまでNぐらいの期間

予約を入れて職業センターに行き、N回ほど


障害者職業センターの職員さんにも色々な人がいました。
中にはお役所的な対応をされる方もいますが、経験豊富で親身になって対応してくれる方もいます。

何より、人間関係は相性です。
もし職業センターに行ってみて「どうしてもこの人とは合わない、ここではムリだ」と感じた場合、担当者を変えてもらうか、通える範囲で別のセンターに行ってみるのも手だと思います。